校長からのメッセージ

2017/04/10

【校長からのメッセージ】 平成29年度 入学式 学校長訓辞


平成29年度 入学式 学校長訓辞

 柔らかな日差しと、さわやかな風を感じる春の、この良き日に、ご来賓のご臨席を賜り、大勢の保護者の皆様のご出席のもと平成29年度、佼成学園中学校・高等学校の入学式が、挙行できますことを、心から感謝申し上げます。

 只今、合わせて322名の生徒諸君に佼成学園中学校、佼成学園高等学校への入学を許可させていただきました。
 新入生諸君、保護者の皆様、佼成学園への入学おめでとうございます。皆さんが佼成学園を選び、入学されたことを教職員一同、大変うれしく思うと共に、皆さんを成長させることのできるしっかりとした教育活動をしていく決意をしています。

 私は常々、本校の生徒たちに活動の中で「佼成学園をもっともっと、すばらしい学校にしたい」と言っています。私の言う「すばらしい学校」とは、生徒と教職員、すべての人が、信頼し合い、向上心のある活動の中で、人間性・学問・社会性・健康面などすべてに、大きく成長し、生徒全員が3年間の学校生活を、本当に満足して卒業できる学校を指します。
 皆さんが、多くのことを学び、大きく成長するために、意識してほしい精神が三つあります。それは、まず、「謙虚であること」。自分は未熟で、まだまだ、学ぶことが、たくさんあるという気持ちで活動に取り組むことが多くのことを学べることにつながるからです。次に、学ぶことに対して「素直であること」。素直であって、はじめて、人の話やアドバイスなど大切なことが、心に届き、本当の理解になり成長につながるからです。最後は、自分を学ばせてくれる人や環境に「感謝できること」。感謝のできる人間が、学んだことが身に付き、しっかり実行することができ、本当の成長ができるのです。皆さんには大きく成長できるように、この三つの精神を持ち続けて、学園生活を送ってほしいと思います。
 この精神を忘れないために、皆さんに実行してほしいことがあります。それは、学校に登校する際の校門や、授業が始まる時の教室で、謙虚に素直な心で、「お願いします」の礼を、下校の時の校門や、授業の終わりのあいさつで感謝の心で「ありがとうございました」。の礼を、心を込めて行ってほしいのです。この心からの謙虚・素直・感謝の礼が実行できれば、みんな大きく成長できると、私は信じています。
そして、まず今日の入学式にあたって、入学させていただいたことをご両親に「ありがとうございます」と、感謝の気持ちを伝えてください。また、佼成学園での、活動の目標や「頑張ります」の、決意もしっかり伝えてください。この感謝と決意の心を自分の初心としてスタートし、その初心を決して忘れないで活動して欲しいと思います。

 もう一つ、成長するための行動で、大切にして欲しいことがあります。それは、多くの出会いを大切にするということです。人間は自分一人では、充分な成長はできません。人間は多くのこととの出会いから、いろいろな影響を受けて成長します。その多くのこととは、人との出会いはもちろんですが、書物との出会いや体験・経験での出会い、芸術作品や人の何気ない言葉との出会いなど、たくさんのことがあると思います。君たちにとって、自分を変えてくれるような大きな出会いや、素晴らしい成長ができる大切な出会いは、人それぞれ違うので、いつ出会うことが出来るのか、何が自分にとって大きな出会いとなるのか分かりません。それを逃さないように、一つ一つの出会いを大切にして欲しいと思います。

 佼成学園は、このようなことを大切に考え、君たちを成長させてくれる、素晴らしい出会いを教育活動の中に、数多く提供することを心がけていきます。  
 私は君たちが謙虚に素直な姿勢で、出会いを大切にし、感謝をしながら、どん欲に学ぶことができれば、みんなが素晴らしい人間になれると、確信しています。ぜひ一つ一つの出会いを大切にし、学園の活動に積極的に取り組んでください。
 長々と堅い話をしましたが、多くのことを学び、成長することは、とても楽しいことです。また、楽しみながら、学ぶこともできます。皆さんには、この佼成学園で成長しながら、大いに楽しんでもらいたいと思っています。みんなで明るく元気に頑張っていきましょう。

 現在、日本では新しい教育改革が進みICT活用の授業やアクティブ・ラーニング、グローバル教育など21世紀型の教育が推進されております。本校でもその先陣を切って新しい教育にチャレンジし、ダイナミックに進めていきます。しかし教育界では、多くの問題も挙げられ、人間教育などとのバランスが難しい時代とも考えられています。
 しかし、私は、生徒・家庭・学校が信頼関係を作り、協力していけば、必ず素晴らしい教育活動ができると信じています。佼成学園は生徒の、心の成長を大切に考え、ひとり一人の目標が達成できるように、今まで以上の教育活動をしてまいりますので、ご協力をお願いいたします。


 簡単ではございますが、新入生諸君の新しい出発をお祝いし、皆さんの健闘を祈って、学校長訓辞とさせていただきます。本日はご入学、誠におめでとうございます。

2016/05/11

【校長からのメッセージ】 5月高校朝礼 学校長訓示

 みなさんおはようございます。
 今年度が始まって、1ヶ月が経ちました。1ヶ月の間に、年度当初の様々な活動があり、ゴールデンウィーク、そして校外授業と慌ただしいスタートとなりました。君たちの生活も、色々な目標に向かって充実してきたのではないでしょうか。

 佼成学園の校訓は「行学の二道を励み候べし」です。「学問」と「行い」、特に「行い」は非常に幅が広い言葉で、人間性を指していたり、人間力を指していたりします。つまり、学問だけでなく、人間としての力を高めていくということです。また、自分が培ってきた能力を、行いや活動によって、どのように人のために活かしていけるかということも、考え方の一つです。

例えば、素晴らしい研究者であっても、その研究をどのように生かすかによって、世の中すべての人のためになるような研究にもなりますし、戦争の兵器のように悲しみを生む研究にもなります。そうした意味で、「行学」の「行」は非常に大切なものです。


君たちは普段、部活動や学校行事、そして何気ない友人との会話や関わりの中で、人間性や人間力を高めています。毎日が君たちにとっては、人間力を高めるための大切な活動なのです。その活動と学業を両立していくのは、簡単なことではありません。しかし、君たちがこの学校でしっかりとした活動を行い、努力をしていけば、必ず大きな成長ができる。我々はそうした教育活動を行っている自負があります。

あとは君たち自身が、誘惑に負けたり、自分に厳しくなれなかったり、目標が定まらなかったり、時間の使い方がうまくいかなかったり、というようなことで活動が疎かになってしまわなければ、必ず大きな成長ができると信じています。

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 今、日本でも世界でもグローバル化が進んでいますが、若者、そして君たち学生に求められることは、これまで以上に視野を広く持ち、色々な体験をするということです。

 そうした意味で、これから佼成学園でも、海外の学校との提携や、留学生の受け入れといったことも多くなってきますし、英語という教科一つをとっても、4技能型に変わってきています。その上で、グローバルな社会で活躍できるような人間力も求められているということも知っておかなければなりません。

その意識を持ち、学校の活動一つひとつに積極的に参加し、自分を高めてほしいというのが、私の君たちに対する願いです。本校の教員は、君たちとともに成長しようという思いを強く持って活動しています。教員と君たち学生がが一体となり、大きく成長ができるような学校になることを目標に、皆で頑張っていきましょう。

2016/04/08

【校長からのメッセージ】 平成28年度 1学期始業式 訓示

みなさんおはようございます。
今日は始業式です。学校にとっては今日から一年間が始まる、という日です。
明日が入学式なので、今日は中学一年生と高校一年生はいません。来週はじめの対面式で全員がそろいます。


君たちには3月の修了式で「この春休みにこの一年をふりかえり、自分を一層見つめなおしてほしい」という話をしました。そして「始業式には、一年間の目標や今後どう取り組んでいこうかを考えてきてほしい」と言いました。みなさんはしっかり考えてきてくれたでしょうか。

一つの例ですが、この春休みに吹奏楽部は定期演奏会があり、現高校三年生は引退をし、部活動から受験勉強に入るという切り替えが行われました。春休みはこのような転換の時期でもあります。


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私は毎年、この佼成学園をもっともっと素晴らしい学校にしたいと思っています。素晴らしい学校とは、生徒全員が大きく成長でき、学校生活を楽しみながら充実した活動をし、卒業するときに「佼成学園に来てよかった」「佼成学園だから充実できた」「楽しくて最高だった」という思いで卒業してくれる学校だと思っています。
今年三月の卒業式では、卒業生が涙を流しながら、ご両親や先生方に感謝をしていました。佼成学園の学生生活が最高だったと言い、卒業していきました。そういう意味では、今でも佼成学園は素晴らしい学校だと思っています。しかし私は欲張りな性格なので、今年はさらに素晴らしい学校にしたいと考えています。


佼成学園では新しい活動が続きます。今年度より中1から高2まで生徒全員にiPadを持ってもらい、授業をはじめ先生方とのコミュニケーションや部活動などに活用していきます。私は毎朝7時頃学校に来て、まず始めに君たちの学習記録やメッセージを確認します。
今朝、ある生徒から「始業式の校長先生のお話が楽しみです。」とコメントをもらいました。非常にうれしいと思いつつ、責任の重さも感じています。このように、生徒のみなさんとコミュニケーションが取れるということは、私にとっても嬉しいことだと感じています。みなさんもぜひ、iPadで学習記録やメッセージを入れてほしいと思います。


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そしてもうひとつ、私は欲張りな性格だと言いましたが、君たちにも欲張りになってほしいと思っています。君たちの中には「自分にはあまり能力が無いから、そんなに頑張っても結果はついて来ない」と思っている人がいるかもしれません。これは間違った判断です。君たち一人一人には大きな可能性が必ずあります。目標を作るときに自分の可能性を信じなくては、目標の達成はできません。もっと自分の可能性を信じ、欲張りになってください。
「行学二道」の精神にもつながることですが、クラブ活動を頑張っているから勉強はできないという妥協もしないでください。きっとできます。君達ならできます。ぜひ、妥協したり自分の可能性を疑うことをせず、目標に向かって、自分を信じてがんばってください。


最後に私の好きな言葉を一つ贈ります。先ほどの話に繋がることころもあると思います。
『努力したものが全て報われるとは限らない。しかし、成功した者は皆すべからく努力している。』
この言葉を胸に、努力を惜しまず一年間頑張りましょう。

佼成学園中学高等学校 学校長 榎 並 紳 吉 

2016/01/08

3学期始業式 校長訓示

新年のあいさつを生徒のみなさん、先生方や私、全員に向けて行いたいと思います。
あけましておめでとうございます。本年もよろしくお願いします。

今日は三学期の始業式です。この冬休み中にお正月をむかえました。みなさん良いお正月を迎えられたと思います。一年の最初は誰にとっても良い節目になると思います。その節目の中で、「一年の計は元旦にあり」という言葉があります。この言葉の意味はとても簡単ですが、実行することはとても難しいことです。「一年の計」とは一年間の計画を意味します。この言葉は、一年の計画は年の初めである元旦に立てるべきであり、物事を始めるにあたっては、最初にきちんとした計画を立てるのが大切だということを教えてくれます。みなさんもこの言葉に沿って、三学期に自分のすべきことをしっかり考えてください。この一年の始めが肝心です。
「一年の計は元旦にあり」という言葉には諸説ありますが由来があります。その由来の一つは三本の矢で有名な毛利元就が、長男の毛利隆元への手紙です。
「一年の計は春にあり、一月の計は朔(ついたち)にあり、一日の計は鶏鳴(一番鶏が鳴く早朝)にあり」
この言葉からも分かるように何事もある節目を迎えた最初が肝心であるということがわかります。
例えば、君たちが部活動の大会が終わった際に、良い成績を収めれば嬉しいでしょうし、悪い成績を収めれば悔しいでしょう。ですが、その大会が終わった節目に、次の大会に向けてどんなことを行おうと計画を考えることができなければ、次の大会で良い成績を取ることは難しいものになるでしょう。どんな事にも節目はあります。その時に次のステップへ進む計画を考えられるかが、人間として成長できるかを決めます。是非君たちには計画を立て、それを実行してほしいと思います。
二学期の終業式で教育界の大きな変化がある話をしました。君たちが大人になって社会で活躍する頃には、今とは全く違う社会になっているのではないかと思っています。その例としては、10年前にスマートフォンはほとんど存在していませんでしたが今では、生徒諸君を含めたほとんどの人が所持をして、どこでもインターネットに接続しています。10年前にこのような世界になることは想像できませんでした。
このように社会は目まぐるしく変わっていきます。このような社会で君たちが生きていくためには、学業や行学二道の「行」である人間性を高めるだけではなく、情報リテラシー、すなわち情報を活用する力も養っていかなければなりません。今、中東の方では緊迫した状況が続き、また北朝鮮では核実験が行われた報道がされています。日本は平和だから、家庭は平和だからというのんびりした気持ちでは、今後の社会では通用しません。世界や日本の経済や政治、そういうことにもしっかり目を向けて、情報をキャッチしてほしいと思います。
情報をキャッチするには、新聞を読んだり、ニュースを聞いたりすることを日々心がけてください。そのような媒介から情報をキャッチし、その情報をどのように活用するかをしっかり考えてみてください。
本日は二点のこと言いました。是非、君たち一人ひとりに実践してほしいと思います。

佼成学園中学高等学校 学校長 榎 並 紳 吉

2015/12/24

2学期終業式 校長訓示

顔を上げてあらためて挨拶をしましょう。おはようございます。
本日は2学期の終業式です。ちょうど2学期というと、もうすぐ12月が終わり、新しい年を迎えるときであり、大きな節目でもあります。高校3年生だけは2学期で卒業できるかどうかが決まります。2学期の期末考査が卒業を決める試験でした。現在、高校3年生は在籍が178名です。例年に比べて少し少ないですが、一昨日、178名全員が卒業を認定されました。おめでとうございます。ただし、3学期が全くないわけではありませんので、3学期に自分のやるべきことをしっかり行ってほしいと思います。
去年が佼成学園の創立60周年という節目でした。60周年記念事業として、佼成学園の同窓会や後援会、卒業生の方々、立正佼成会から多額の寄付金をいただき、全教室に電子黒板機能を持ったプロジェクターが配備されました。
高1には全員にiPadの配布が行われました。そして、先生方もICT教育やアクティブラーニングの研修会に積極的に参加し、君たちのICT教育の環境への準備を行いました。このような背景から、今年度の佼成学園のICT教育が目覚ましく発展した年だったと思います。この教育は外部からの評価も高く、文部科学省の方々が授業を見学しに訪問したり、他の高校の先生方が授業参観に来たりしました。私としてもこの教育の手ごたえを確信しております。今後もより設備を充実していきたいと思います。
ICT教育の推進に関して、私から一つお願いがあります。是非毎日、学習記録を付けてください。佼成学園がICT教育のプラットフォームとして利用しているClassiには学習記録を保存できる機能があります。高1の生徒諸君はiPadによって、多くの生徒が学習記録を付けてくれています。来年度には高3を除く5学年にiPadが配布されます。せっかくの機会ですから、是非皆さんには毎日、学習記録を付けていただきたいと思っております。私も毎日、君たちの学習記録を見させてもらっています。君たちが学習記録を書くと、多くの先生方がコメントを書いてくれていると思います。このようなコミュニケーションは君たちにとっての大きな励みになります。学習記録を毎日付けるような君たちの行動があって初めて、ICT教育の真の価値が発揮されると思います。
以上で述べたようにICT教育の物理的な環境、教員側の準備は整っております。あとは生徒諸君が積極的に使っていこうという気持ちにかかっております。是非恵まれた環境を生かして、君たちの今後の大きな成長に役立ててほしいと思います。
硬い話になりましたが、今日はクリスマスイブです。佼成学園は仏教の学校ですが、宗教色はあまりありません。大いに楽しいクリスマスを楽しんでください。

佼成学園中学高等学校 学校長 榎 並 紳 吉

2015/11/25

高校朝礼 校長訓示

みなさんおはようございます。さて、今日は平和についての話をしたいと思います。
皆さんは、新聞やニュースで、フランスで多発テロが起こり、多くの方が犠牲になったことをご存知かと思います。また、ロシアの旅客機が撃ち落されたり、空軍の飛行機がトルコに撃ち落されたりというニュースもありました。中東では不安定な情勢があります。
中東は日本からはとても遠いので、楽観的に考えている日本人も多くいると思います。しかし、世界情勢を研究されている方によると日本でもテロの可能性は十分にあるとのことです。
日本も実際に隣国との関係はよいとは言えません。中国・韓国との歴史問題、島の領有権の問題など課題が山積しています。世界でも同じように多くのトラブルを抱えており、平和から遠のいているように感じられます。

ローマ教皇ヨハネ・パウロ2世と共に
 第6回WCRP(バチカン)に出席


ロンドン郊外のウィンザー城で
「テンプルトン賞」を受賞した庭野日敬師
おそらく、世界中のほとんどの人が平和を望んでいるのに、平和から遠ざかっている現状にしっかり向き合ってほしいと思います。
平和は佼成学園の基本的な建学の精神です。佼成学園は「平和社会の繁栄に役立つ人間の育成」が建学の精神です。高校2年生の時に沖縄での平和学習もこの建学の精神に則ったものです。
ここで、佼成学園の創立者、庭野日敬先生の話をしたいと思います。
庭野日敬先生は立正佼成会の開祖でもあります。庭野日敬先生は日本の宗教人でありながら、世界では、平和運動家としても有名でした。様々な功績を残されました。
1978年にはWCRP(世界宗教者平和会議)の名誉議長としてニューヨークの国連本部にて「第1回国連軍縮特別総会」で演説を行われました。また、1979年には宗教界のノーベル賞である「テンプルトン賞」を受賞されました。「テンプルトン賞」はマザーテレサなどの著名な方も受賞された名誉ある賞です。1994年にはバチカンで行われた第六回WCRPに、ローマ教皇ヨハネ・パウロ2世とともに出席し、引き続き宗教対話・宗教協力への活動を続けました。
このように庭野日敬先生は、世界の多くの平和活動家が尊敬する人物であり、世界の平和活動を担える青年の育成を切に願って佼成学園を創立したということを是非皆さんに知ってほしいと思い、この話をさせていただきました。
是非皆さんもこのような願いがあることを理解したうえで、日々の生活に生かしてください。

佼成学園中学高等学校 学校長 榎 並 紳 吉

2015/09/01

2学期始業式 校長訓示

皆さんこんにちは。2学期が始まりました。夏休みはどのように過ごしましたか? 
さて、2学期から新しく、英語のネイティブの新しい先生が来られました。これから佼成学園では、英語教育にも力を入れていきます。
さて、この夏休みは高3学年の生徒諸君は毎日のように自習室で勉強し、講習にも多くの生徒が参加していました。生徒会活動では文化祭に向けて、準備が盛んになっていました。部活動では8月の暑い時期にも熱心に練習を行っていました。その成果もあり、様々な部活が輝かしい成績を収めました。特に中学アメリカンフットボールが岡山県で行われた全国大会で優勝をしました。通算で5回目の日本一になり、アメフト界に新たな歴史を刻みました。また、書道部でも13万点という大変な応募の作品の中で、ベスト3に入るような大きな金剛峰寺賞を受賞した生徒がいます。このように全国レベルでの活躍が目立つことは学校の誇りだと思います。これからも精進を重ね、より高いレベルの人間を目指して頑張ってほしいと思います。
 最後に、みんなに一つ言いたいことがあります。佼成学園の建学の精神を短く簡単に言うと、「平和社会の繁栄に役立つ人間を育成する」となります。佼成学園では、日ごろから人々への感謝、思いやりを大切にしています。また、高校2年の修学旅行で沖縄で、平和学習を行っています。最近、日本では安全保障法案を受けて、各地でデモ活動などが活発になっています。この法案やデモ活動の是非は置いておいて、一つ言えることは君たちが、大人になるときにこの法案が大きな影響を及ぼすのは事実です。今一度、このタイミングで一人一人が平和とはどういうことかを考える必要があると思います。君たちにもいずれ選挙権が与えられます。その時に日本を支える一人の国民として、是非皆さんには、平和についての考えを持ってほしいと思います。
2学期は文化祭、修学旅行、マラソン大会などの多くの行事がありますが、学業に対してけじめをつけながら、実のある学生生活を送ってください。

佼成学園中学高等学校 学校長 榎 並 紳 吉

2015/07/18

終業式 校長訓示

いよいよ、今日で1学期が終わり、夏休みが始まります。ただ、夏休みだと言っても完全休養ができるという日は少ないと思います。進学を目指している上級生は数多くの講習や自学自習を行います。下級生も部活動に励むことでしょう。どの学年も忙しい毎日を送ると思います。
この夏は非常に暑い夏になります。今現在も熱中症で倒れる人が後を絶ちません。中にはそのまま入院する方もいると聞いています。君たちは若くて元気だと思いますが、充分な水分と適度な塩分を取って体調管理をしっかりして、と夏休みを過ごしてください。
日本には「暑中見舞い」や「年賀状」や「お中元」のような文化があります。これは、日本人が人に対する感謝や人間関係を大切にしているからこその文化だと思います。
本校の卒業生でも大学生の時に挨拶に来てくれる人がたくさんいます。
卒業生が挨拶に来てくれると先生たちはとてもうれしく思います。その子を応援したくなります。
この夏休みに君たちにこのようなことを行ってほしいことと思います。それは今年の3月までお世話になった中学校小学校の担任の先生、クラブ顧問の先生、進学塾に通っていた生徒は塾でお世話になった先生方に自分で時間を作り、できればアポを取って挨拶に行ってほしいのです。
佼成学園ではお世話になった方に対して感謝することを大切に考えています。そのことの感謝の気持ちの行動として「今、佼成学園で頑張っています。」というような報告ができれば先生方もきっと安心してくださり喜んでくれると思います。このような挨拶が感謝の心であり、これを伝えることでお世話になった先生方との人間関係はさらによくなると思います。人間としてとても大切なことです。ぜひ行ってください。

佼成学園中学高等学校 学校長 榎 並 紳 吉

2015/07/01

校報 より質の高い授業を目指して

本校は21世紀型教育の推進に向け、2年ほど前からICT教育環境の整備およびアクティブラーニングの研究・準備を進めてまいりました。ICT教育とは情報通信技術を教育現場に活用する教育であり、具体的には電子黒板やノートパソコン、タブレット端末、プロジェクター等を利用して授業を展開することになります。すでに高校棟の全クラスに電子黒板機能が使えるプロジェクターを設置し、中学棟にも9月までに全クラスへの設置が完了します。また、現高校1年生からタブレット(iPad)を全員に持ってもらうことにしました。これにより、学習内容をはじめ多くの情報が共有される他、生徒同士、生徒と教員のコミュニケーションツールとしても活用の用途が広がり、教育活動全般における様々な効果が期待できます。また、このICT教育環境が整うことにより、従来の講義形式によるいわば知識詰め込み型の授業とは異なる、意見交換やグループワークなどの協働学習を取り入れたアクティブラーニングが容易になるのです。

アクティブラーニングがもたらす効果については、図をご覧いただくとお分かりになると思います。この図はラーニングピラミッドと呼ばれ、学びの形態別に学習内容が半年後にどのくらい定着しているかを表したものです。従来の講義形式の場合には5%~15%程度の記憶量にとどまっていたのもが、ディスカッションや実践、さらに人に教えることで記憶の定着率が飛躍的に高まるのです。まさに、アクティブラーニングが本領を発揮する領域といえます。この学びの形態は思考力、判断力、表現力などが同時に養われるという点では大変優れていると思うのです。

これら教育の環境整備と質的転換にあたっては、教員側の理解や研修が重要であり、充分に活用できる力をつけた人材の育成が急務です。本校では今年度のスタートに向けて研修、研鑽を積んでまいりました。この分野を牽引する他校の視察なども行っています。今後は試行錯誤しながらではありますが、21世紀型教育を推進してゆきたいと考えています。


 この他にも本校ではさまざまな改革に着手しております。しかし、佼成学園に受け継がれている良さ、すなわち感謝と思いやりの人間教育、面倒見の良い教育、行学二道の実践などはこれまでどおり教育の根幹として活動を進めて実践してまいります。今後とも本校をご理解、ご支援いただきますようお願いいたします。
最後になりましたが、このICT教育環境整備を含めた学園創立60周年記念事業に対して多くのみなさまよりご寄付を賜りましたこと、この場を借りて厚く御礼申し上げます。

佼成学園中学高等学校 学校長 榎 並 紳 吉

2015/02/18

平成26年度3学期中学朝礼 校長訓示

 本日、朝のLHRの時間に中学朝礼が行われました。生徒達はひんやりとした体育館で私の話をしっかりと聴いていました。佼成学園では日頃から「聞く」というのは「目」と「耳」、そして「心」で「聴く」ことであると生徒に伝えてあります。今回も私から生徒達に対して、これから話すことをしっかりと聴くようにと伝えました。
 2月1日から始まった本校の中学入試も無事に終え、来年度は120名以上の新入生を迎えます。みなさんの学校内外での活躍によって、佼成学園はますます評判が良くなってきています。先日も一通のメールが学校に届きました。そのメールには次のように書かれていました。その方は先日、自転車にお子さんを乗せて本校のそばを通りかかったのですが、大変気温が低かったために凍っていた道路にスリップし、転倒してしまったそうです。そのとき、それを見かけた本校生徒3~4人が、すぐに駆け寄って助けてくれたとのことでした。また、お子さんの顔にすり傷があったことから、すぐに保健室につれて行き、養護の先生の手当を受けるようにしてくれたというのです。
この生徒たちの親切な対応にとても感謝しているといった内容でした。さらにそのメールには、みなさんは日頃から気持ちよく挨拶をしてくれたり、道を空けてくれたりと、とても礼儀正しい生徒さんだとお褒めの言葉も添えられていました。私は日々、思いやりを持つことや人に親切にすることが大切だと話してきましたが、このメールには本当に嬉しく思いました。勉強をしっかりとすることも必要ですが、それ以上に大切なことを身につけてくれていることに大変嬉しく思います。

佼成学園中学高等学校 学校長 榎 並 紳 吉