« 【高校】奨学給付金のお知らせ | メイン | 【書道部】金剛峯寺賞 受賞! »

2015/07/01

校報 より質の高い授業を目指して

本校は21世紀型教育の推進に向け、2年ほど前からICT教育環境の整備およびアクティブラーニングの研究・準備を進めてまいりました。ICT教育とは情報通信技術を教育現場に活用する教育であり、具体的には電子黒板やノートパソコン、タブレット端末、プロジェクター等を利用して授業を展開することになります。すでに高校棟の全クラスに電子黒板機能が使えるプロジェクターを設置し、中学棟にも9月までに全クラスへの設置が完了します。また、現高校1年生からタブレット(iPad)を全員に持ってもらうことにしました。これにより、学習内容をはじめ多くの情報が共有される他、生徒同士、生徒と教員のコミュニケーションツールとしても活用の用途が広がり、教育活動全般における様々な効果が期待できます。また、このICT教育環境が整うことにより、従来の講義形式によるいわば知識詰め込み型の授業とは異なる、意見交換やグループワークなどの協働学習を取り入れたアクティブラーニングが容易になるのです。

アクティブラーニングがもたらす効果については、図をご覧いただくとお分かりになると思います。この図はラーニングピラミッドと呼ばれ、学びの形態別に学習内容が半年後にどのくらい定着しているかを表したものです。従来の講義形式の場合には5%~15%程度の記憶量にとどまっていたのもが、ディスカッションや実践、さらに人に教えることで記憶の定着率が飛躍的に高まるのです。まさに、アクティブラーニングが本領を発揮する領域といえます。この学びの形態は思考力、判断力、表現力などが同時に養われるという点では大変優れていると思うのです。

これら教育の環境整備と質的転換にあたっては、教員側の理解や研修が重要であり、充分に活用できる力をつけた人材の育成が急務です。本校では今年度のスタートに向けて研修、研鑽を積んでまいりました。この分野を牽引する他校の視察なども行っています。今後は試行錯誤しながらではありますが、21世紀型教育を推進してゆきたいと考えています。


 この他にも本校ではさまざまな改革に着手しております。しかし、佼成学園に受け継がれている良さ、すなわち感謝と思いやりの人間教育、面倒見の良い教育、行学二道の実践などはこれまでどおり教育の根幹として活動を進めて実践してまいります。今後とも本校をご理解、ご支援いただきますようお願いいたします。
最後になりましたが、このICT教育環境整備を含めた学園創立60周年記念事業に対して多くのみなさまよりご寄付を賜りましたこと、この場を借りて厚く御礼申し上げます。

佼成学園中学高等学校 学校長 榎 並 紳 吉