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2012/11/17

恒例のマラソン大会から浮かび上がる「男子校のメリット」

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秋晴れの11月7日(水)。
彩湖・道満グリーンパークにて
「第48回佼成学園マラソン大会」が開催されました。
 
2学期最大のスポーツイベントであるマラソン大会では、
中1から高3までがそれぞれのペースで精一杯走り切りました。
 
およそ半世紀の歴史を持つ本校のマラソン大会。
この行事が持つ、男子校ならではの教育効果をご紹介いたします。





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本校の伝統あるマラソン大会は、今年から会場を刷新。
埼玉県「彩湖・道満グリーンパーク」に移し、約10キロを走りました。
「男子校」である佼成学園中高では、
マラソン大会を大切な教育の機会ととらえ、
約半世紀もの間、一度も絶やさずに続けてきました。
当日までは榎並学校長を筆頭に、
全教員が一丸となって準備・運営に携わっているのです。
なぜ「男子校」ではマラソン大会が大切なのでしょうか?

私たちはその理由を、次の4点に集約して考えています。

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▲現地まではクラスごとに貸し切りバスで移動。マラソン前の緊張のためか、車中の生徒は神妙な面持ちでした。

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▲彩湖に到着するやいなや、生徒たちはたちまち元気に駆け回っていました。

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「男子校」でマラソン大会が大切な理由

(1)己(おのれ)の限界を知る

本校での3年ないし6年間に毎年走ることは、

自分の身体能力の限界を体験するとともに、

成長する自己を確認できます。

「去年より早く走れた」という気持ちは、

自分に対する強い自信となって、

折れない心をつくり出すのです。

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▲開会の訓辞を行う榎並学校長

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「男子校」でマラソン大会が大切な理由

(2)「あきらめない強さ」を体得する

榎並学校長は今大会冒頭の訓辞で、

「人生で嫌なことに立ち向かう。ベストを尽くす。それを鍛えるための行事だ」

と述べました。

マラソンの苦しさの中で、「もうだめだ」とあきらめそうになっても、

「進めば必ずゴールにたどり着く」

という思考に切り替えることを、生徒たちは学びとります。

これらの経験はスポーツだけではなく、

大学受験やその後の人生においても大きく役立つのです。

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▲学年ごとにスタートします。

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「男子校」でマラソン大会が大切な理由
(3)男子校ならではの教育効果

  「生徒と教師の関係づくり」

本大会でも、ついついハメをはずしてしまう生徒に対し、

教師が「こら!」と怒声を発する場面が何度かありました。

これは決して、暴力的とか、荒れている、というわけではありません。

男子校ならではの光景なのです。

思春期における男子と女子は、教育方法がかなり違うもの。

例えば、『なぜ男女別学は子どもを伸ばすのか』という本にも次のように書かれています。

「目の前の教師に対して、尊敬できる存在かできない存在か、

言い替えれば自分が従ってもいい相手かそうでないかを重要視します。

そのために、わざとルールを破ってみたり、挑発的な態度を取ったりすることが、

男子には少なくありません。(略)そんな男子たちには、

権威ある教師の短い一言が効きます。

彼らは友だちのような教師よりも心から敬服できる教師を求めているのです。」

(本書57ページ/中井俊巳・著/学研/2010年)

生徒と教師との関係づくりに、マラソン大会は格好の舞台。

やがて迎える大学受験に向けても、よい効果を生み出します。

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▲この日は教員総出でマラソン大会を運営。安全で楽しい行事となるよう、細心の注意を払っています。

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▲沿道で声援を送る榎並学校長。校長として、本校の大先輩として、常に見守っています。

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▲それぞれのペースで精一杯走る生徒たち。

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▲走り終えたあとの爽やかな笑顔です。

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「男子校」でマラソン大会が大切な理由
(4)中高一貫校ならではの教育効果

  「先輩の後ろ姿を見る」

まだあどけなさの残る中1から、お父さんそっくりの高3まで、

学校の全員が参加するマラソン大会を見ると、生徒たちの体格の違いに驚かされます。

実はこの「差」は、特に中学生にとって、大きな教育上の効果があるのです。

『男子校という選択』という本の中では、

法政大学教授で教育評論家の尾木直樹氏の次のような意見が紹介されています。

「(尾木氏は)『中一で入学したときに、

将来の姿として反抗期の真っ只中にある中学三年生の姿だけを見るのか、

大人の風格が漂う高校三年生の姿も見るのかには大きな違いがある』

とも語っている。

わけもなく先生に反抗する中学三年生だけを見ていてもお手本にはならない。

反抗期を乗り越えて先生たちと大人同士のようにうまく付き合う高校三年生の姿を見て、

『いずれ僕たちもこうなれるんだ』と思えるというのだ。

その安心感があるからこそ、目の前のことに集中できる。

(略)これが中高一貫校の教育力の神髄だという。」

(本書67ページ/おおたとしまさ・著/日本経済新聞出版社/2011年)

10キロを難なくこなす先輩たちを間近に見ることすら、

男子にとって大切な教育となるのです。

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▲走り終わった後の楽しいお弁当タイム。

夏の都大会で大活躍した野球部の高校生は「マラソンなんて余裕ッス!」と頼もしい感想を述べていました。

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▲表彰式で、学校長とがっちり握手する上位入賞者たち。

中学・高校ともに、各学年1位から5位までトロフィーが、1位から30位までメダルが贈られます。

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▲閉会の総評をする学校長。

「この大会は保護者の皆さんや教職員の手で運営されています。

感謝の心を持ち続けてください」と語りました。

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▲中学3年生で優勝した淺見くん(写真手前)。

「昨年は2位だったけど、今年は優勝できました!バスケ部の練習の成果です!」

うしろの3人も、5位までの上位入賞者です。

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このように大きな教育的効果をもたらす男子校のマラソン大会。

天候にも恵まれ、今年も有意義な行事となりました。

ご家庭での準備や応援に来てくださった保護者の皆さま、

ご来賓の皆さま、本当にありがとうございました。

来年もよろしくお願いいたします。