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2010/07/29

「生徒全員に幸せになって欲しい」

平成22年7月7日発行「校報」より「学校長挨拶」を転載しました。ぜひご覧ください。

 「生徒全員に幸せになって欲しい」これが私達、佼成学園の教職員全員の願いです。私達が考える「幸せ」とは、「生徒が将来、本当に社会から必要とされ、信頼され、周りの人達から好かれる人間になることです」。マザー・テレサさんは「この世の中で、一番悲しいことは誰からも必要とされないこと」といっています。逆に言うとこの世の中で一番嬉しい(幸せ)ことは、誰からも「必要とされること」、「信頼されること」、「好かれること」ではないでしょうか。多くの人達から「君がいてくれて本当によかった」「あなたのおかげです。ありがとう」と、心から感謝されるような人間になって欲しいのです。そして、そう言われることが、人間として一番「幸せ」を感じる瞬間でもあり、そんな人間であれば、幸せな家庭を築き、幸せな人生を送ることができるのではないかと考えています。つまり、「幸せ」になるために一番大切なのは「人間性」なのです。

 生徒にとって、希望の大学に入学することは、とても大切なことです。しかし、学園の目的が「大学入試結果」だけだとしたら、学園の使命は、生徒が卒業し、大学に入学すれば終わってしまいます。しかし、佼成学園は生徒が卒業して10年後、20年後、、、生徒のずっと先の「幸せ」を考え、人間教育の活動を真剣に取り組んでいます。

 昨年の校報でも「人は他人を幸せにすることでしか幸せになれない」という言葉を書きましたが、人生を幸せにするためには、人と人との関係において信頼し信頼され、感謝し感謝されるつながりが大切です。このつながりを築くには「おもいやりと感謝」の教育が必要だと思います。本学園では「生徒全員に幸せになって欲しい」という願いに沿った「心身一如の円満な人格を養成する」の建学の精神のもと、人間教育の具体的な活動として様々な講演・講話、登下校や食前食後の挨拶、学校行事、部活動、総合学習、道徳の授業、ホームルーム活動などがありますが、そのすべての活動の中で「おもいやり」と「感謝」に焦点を合わせて行っています。

 昨年の9月7日、創立記念式典の記念講演では、夜回り先生の愛称で有名な水谷修先生に、日本にも死を考えてしまうほど苦しんでいる若者がたくさんいることの実例の話をしていただき、「すべての命は平等に尊く、大切であること」、「自分の命は自分だけのものではないということ」を熱く講演していただきました。生徒達は苦しんでいる仲間をどうおもいやり、命を授かり生きていけることに感謝することを考えてくれたと思います。

 今年度、9月7日の記念講演は上田情報ビジネス専門学校の副校長で「就職対策授業」の中で学生が幸せになるための「ココロの授業」を行っておられる比田井和孝先生に「与える者は、与えられる」について講演をしていただきます。著書を読ましていただきましたが、感謝することや相手をおもいやることの大切さが伝わる、素晴らしい講演になると期待していますし、生徒が人間として、より一層成長してくれると信じています。

 また、本学園理事長の酒井教雄先生が感動の理事長講話を学年ごとに水曜日のロング・ホーム・ルームの時間で行っていますが、心温まる美談や、人間としてあるべき行動などの講話をしていただき、生徒達は感動し、成長してくれています。

 人間性を高め成長させる教育は、学力も高め、力をつけることにつながります。たとえば、ご両親に学校に通わせてもらってることに、感謝できる生徒は学校活動を積極的に取り組み、授業を大切にします。ですから、学力も伸びていくのです。佼成学園では、このことに信念を持ち、しっかりとした教育活動を行っていきます。これからもあたたかく見守っていただき、ご協力をお願いいたします。

                                                                                                             佼成学園中学高等学校長 榎並紳吉

                                         ~ コウセイ、実感。~ 佼成学園中学高等学校