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2014/06/25

「積極的に挨拶をしましょう」 校長校報

 「生徒全員に大きく成長して欲しい」という願いのもと、常日頃から「挨拶は大切だ」と訴えていますが、いったい「挨拶」にはどのような意味があるのか、挨拶の持つ力を考えてみたいと思います。
 人間は自分一人の力では大きな成長は望めません。多くの人たちとの関わりによって大きな成長が期待できるのです。しかし多くの人たちがいても、その人たちとどのような人間関係にあるかによって成長の度合いが変わってきます。円滑なコミュニケーションがとれ、信頼し合い、円満な人間関係が築けていれば、お互い大きく成長できる人間関係だと言えるでしょう。
 このよい人間関係のスタートは相手に好かれることに始まります。このための行為が「挨拶」なのです。挨拶という字の本来の意味を考えると、「挨」は「心を押し開く」ということであり、「拶」というのは「相手にせまる」ということです。つまり挨拶とは「心を開いて相手にせまる」というのが本来の意味なのです。ですから、相手に好かれるためには自分が心を開いて相手に近づき、自分から積極的に言葉や態度で気持ちを表すことから始めなければなりません。
 しかし、挨拶をすれば必ず好かれるとは限りません。挨拶の仕方によっては嫌われてしまうこともあります。たとえば不機嫌そうな顔でぶっきらぼうに挨拶をしたら相手はどう感じるでしょうか。心がこもらず目も合わせずに元気のない挨拶をしたらどうでしょう。きっとよい気持ちになってもらえず、好きになってはくれないでしょう。

 佼成学園では、挨拶をするときには「本物の挨拶」をするよう指導しています。「本物の挨拶」とは「自分から」「笑顔で」「心を込めて」「元気に」「相手を見て」挨拶することです。人はこのような「本物の挨拶」をしてくれる人を必ず受け入れ、好きになり、自然にコミュニケーションが生まれ、円満な人間関係をつくろうとするものです。そのような人間関係のなかではお互いの良さを認め合い信頼が生まれ、協力したり、ときにはお互いに切磋琢磨するなど多くの濃密な活動がおこなわれ、大きな成長が期待できるのだと思います。ぜひ「本物の挨拶」を心がけてほしいものです。

 挨拶にはこの他にも大切な役割があります。挨拶は礼儀でありエチケットであるということです。「親しき仲にも礼儀あり」という言葉がありますが、親しい関係を作り上げていても挨拶(礼儀)を疎かにすると良い関係が壊れてしまうことがあります。たとえば、顔見知りの人に対して挨拶をしなければ人間関係は壊れてしまいます。顔見知りで挨拶しないのは「君とは口もききたくない」と敵意を示しているのと同じことになります。自分にそのような気持ちがなかったとしても、相手にはそうとられ、関係は壊れます。

ですから本物の挨拶を継続することが大切です。また、「前を失礼します」「お先に失礼します」「少しよろしいでしょうか」など、目上の人に丁寧な対応をすることも挨拶(礼儀)として大切になります。
 このように、「挨拶」は一人ひとりが大きく成長するためにとても大切なものであり、とても深い意味を持つ行為です。そして学生時代だけでなく社会人になってからも絶対に欠かすことのできないものです。ですから、みなさんには積極的に挨拶をして欲しいと願うとともに、これからも挨拶の持つ力について学びながら身につけてほしいと思います。

佼成学園中学高等学校 学校長 榎 並 紳 吉