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2014/03/22

平成25年度中学校卒業証書授与式

 新たな門出を祝福するかのような暖かい日差しが降り注いだ3月15日(土)、平成25年度佼成学園中学校卒業証書授与式が執り行われました。

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▲厳かな雰囲気の中挙行される卒業式         ▲担任からのメッセージ

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▲緊張が伝わってきます                  ▲「威風堂々」の入場!


 学園歌斉唱後、卒業証書授与が行われました。3年間、卒業生諸君と苦楽を共にしてきた担任が、万感の思いを込めて一人ひとり呼名し、卒業生はその思いに応え、式場に響き渡る立派な返事とともに起立します。この短くも堂々とした返事の中に、大きな成長を感じずにはいられませんでした。

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▲3年間の思いを胸に呼名する担任           ▲立派な返事で応えます


 続いて各種賞状授与。13名が三ヵ年皆勤を果たし、一人ひとり賞状を受け取りました。保護者の皆様のご尽力の賜物です。また、クラブ活動や生徒会活動で優れた功績を収めた卒業生には、「日本私立中学高等学校連合会会長賞」、「東京都中学校体育連盟会長賞」、「杉並区学校文化栄誉顕彰」がそれぞれ授与されました。

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▲一人ひとり登壇します                  ▲堂々たる立ち居振る舞いでした


 各種賞状授与の後は学校長告辞。卒業生の成長と活躍への賛辞とともに、思いの詰まったメッセージが送られました。

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▲学校長告辞                        ▲式中の姿勢も大変立派でした


 そして卒業生代表による卒業の言葉です。3年間の思い出を振り返るとともに、これまで支えてくださった方々への感謝の気持ちや高校生活への決意を堂々と語ってくれました。


卒業の言葉

「3年前、私たちは震災の影響で、普門館ではなく、体育館で入学式を迎えました。そして今日、再び同じこの体育館でこうして卒業式を迎えているのは、何かの運命なのかもしれません。

 3年間を振り返ると本当にあっという間に感じられますが、思い出そうとすればいくらでも思い出が浮かんでくるような、とても充実した3年間でした。そこには、楽しかったこと、苦しかったこと、友達と喧嘩をしたり、笑いあったりと、たくさんの思い出が詰まっていました。

 3年前の入学式。私たちは新たに始まる学校生活に期待しつつ、体の大きな先輩たちや知らない人たちばかりの教室という、慣れない学校生活に不安も感じていました。しかし、そんな不安はオリエンテーションのドッヂボールですっかり消えていました。皆、コートの中で走り回り、ボールを臆することなくぶつけ合い、本気で戦いました。初めて使う体操着を早速破ってしまう人がいるくらいでした。最後には笑顔で記念写真を撮り、やっぱり皆友達じゃないかと安心したのを覚えています。また、体育祭や部活動などで先輩たちと関わっていく中で、『佼成学園』の伝統というものを身に染みて感じ、これが佼成学園なんだと、その後の学園生活への期待は膨らんでいきました。

 2年生になると、慣れてきた佼成学園の中で、新鮮な変化がありました。最初の変化はクラス替えです。いったいどんなクラスになるだろうと心を躍らせたのを覚えています。また、部活動の中で後輩ができました。自分もついに先輩になったのだと自覚し、先輩としてうまく振る舞おうとするのですが、なかなかうまくいかず、先輩のようになりたいという、新たな目標ができました。

 私は吹奏楽部で本当に良い先輩、後輩たちと出会い、たくさんの困難を経験し、活動を通じて音楽をする喜びを体感していました。その年の定期演奏会では、大盛況のホールの中で部員一人ひとりの音が一つなって響いているのを感じ、体が震えました。また、引退してしまう先輩たちを前に涙を流しました。そのときから、自分たちで部を動かしていかなければならないという使命感が芽生えました。

 そして、私たちは最高学年である3年生になりました。すると、すぐに体育祭の準備が始まりました。初めはあまりなかった『最後の体育祭』という自覚。しかし、本番が近付くにつれて皆『最高の体育祭にしたい』という気持ちが強くなっていき、毎日遅くまで練習をしました。体育祭は、どのカラーも気持ちが一つになりました。応援合戦で大技のタワーが決まったとき、『以心伝心』とはこういう瞬間なんだと感じずにはいられませんでした。

 その後、文化祭では、1組はお化け屋敷、2組はウォークラリー、3組と4組は映画上映をしました。私は3組のリーダーとして映画を作成しましたが、文化祭までの道のりは苦労の連続でした。皆部活などで忙しく、なかなか集まれなかったり、撮った映像の編集であまり寝られない日々が続いたり、教室をいい加減に使用していたことで担任の篠塚先生に叱られたり。そんな困難も一つひとつ乗り越えて迎えた文化祭当日。クラスの皆が、一人でも多くのお客さんに来てもらおうと学校中を走り回っているのを見て、私はそれまでの疲れが吹き飛びました。皆が本気で頑張ってくれたおかげで、中学最後の文化祭は最高の思い出になりました。

 文化祭や体育祭を通じて、私は学んだことが一つあります。それは『一人ではできないこと』です。一人ではできない、仲間がいなければできないことを、中学3年間本当にたくさん経験していることに気付きました。私たちの思い出には、皆で頑張ったからこそ生まれた感動や達成感などがあるはずです。私たちはそのような経験を通して、共に笑い合い、共に成長してきました。

 私は、『自分が良ければ良い』といった利己的な考えではなく、『皆のために頑張ろう』と常に思える人間になりたいです。そのためには、感謝の気持ちを大切にしなければならないと、そう思います。

 私たちがこんなに充実した3年間を過ごすことができたのは、私たちに関わってくれた、たくさんの人たちのおかげです。

 まず後輩の皆。体育祭のとき、頼りなかったかもしれないけれど、とことん付き合ってくれてありがとう。

 そして先生方。時には厳しく、また時には優しく接してくださったこと。私たちのために熱心に勉強を教えてくださったこと。心から感謝しています。

 そして両親の存在。負担が大きいのに私学に通わせてくれていること。登校前にお弁当を用意してくれていること。つらいときに支えてくれたこと。私たちのためにたくさんの優しさを注いでくれていること。あまり面と向かって言ったことはないけれど、今この場を借りて感謝を申し上げます。15年間、本当にありがとうございました。

 学習合宿で、私たちはそれぞれの将来について考え、違う道に目を向け始め、修学旅行では比叡山延暦寺での修行で『自分自身』を見つめ直しました。

 自分の内面を見つめ直し、皆が自分の将来を見据える中、私たちは今日、卒業します。

高校生活でも、幾多の困難が待ち受けているかもしれません。それでも一歩一歩将来への道を自分の足で着実に踏みしめて歩んでいきたいです。

そしていつか、たくさんの愛情を注いでくれた両親へ、恩返しができるような人間になることを誓い、卒業の言葉とさせていただきます。

 平成26年3月15日 卒業生代表 毛塚 尚太郎」

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▲卒業生代表・毛塚君の卒業の言葉

 最後は卒業生全員による合唱で締めくくります。曲目は「旅立ちの日に」。様々な思いの詰まったその歌声は臨席した多くの方の胸を打ち、式場に熱く響き渡りました

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▲それぞれの思いが込められた「旅立ちの日に」が式場に力強く響き渡りました

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▲中学校生活最後の校歌斉唱              ▲退場も凛々しく


 この後、各教室にて保護者の方々もご一緒に、中学校生活最後のホームルームの時間となりました。六ヵ年一貫教育を謳っている本校においても、中学校卒業式は一つの節目として大きな意味を持ちます。3年間の思い出にとどまらず、仲間への感謝、教員への感謝、そしてご両親への感謝の気持ちを、時には涙で言葉を詰まらせながらそれぞれの言葉で述べてくれました。その熱い涙は、中学校で過ごした時間の濃密さ、充実ぶりを物語っています。卒業生諸君の
立派な姿に、これまで成長を見守ってきた教員も思いが溢れ、涙せずにはいられません

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▲情熱の込められた学年通信で3年間を思い返します ▲教室で改めて卒業証書授与

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▲溢れる涙は充実の証                  ▲大きく成長した姿に担任もただただ涙

 

 突如日本を襲った震災から3年。その混乱の中、本校の門をくぐった生徒諸君が、無事に卒業を迎えたことは特別な意味を持ちます。あどけなく、可愛らしかった表情も、今ではすっかりたくましく、頼もしく成長しました。特別な3年間の集大成となる卒業式。立派な返事、思いの込められた卒業の歌、堂々とした立ち居振る舞いを通して、佼成学園の伝統を受け継ぐ者としてあるべき姿を在校生に示してくれました。卒業生諸君。中学校で得た学び、経験、出会いを胸に、それぞれの一歩を踏み出してほしい。心から卒業おめでとう。

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