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2010/07/20

中学2年生 自然教室報告

7月12日(月)、傘マークだらけの天気予報に一抹の不安を抱えながらも、中2生130名全員が元気に福島自然教室に出発しました。途中の栃木県を通過するあたりでは雨も強く降るような場所もありましたが、目的地である福島県会津地方に着くと曇り空ながら雨は降ることもなく、一同安心しました。

まず、最初に私たちが向かったのは会津藩校「日新館」を再現した施設でした。白虎隊でも名高い会津武士の教育を担い、その当時随一の教育レベルを誇ったと言われる「日新館」には日本最古とも言われるプール(水練場)があり、その細密な再現レベルに生徒たちも驚いていました。また、「ならぬことはならぬものです」の言葉でも有名な「什の掟」などについて施設の講師の方から講義を受ける機会もありました。生徒にとっては現代とはまるで違う十代の生き方を知るいい機会となったことでしょう。

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その後バスは猪苗代湖湖畔へと移動し、偉人としても名高い「野口英世記念館」へと移動しました。この自然教室に行く前に生徒たちは野口英世の一生を描いた「遠き落日」という映画を見ていたため、野口博士の偉業や野口博士と母親との感動的なエピソードについては理解していたので、興味深そうに実物の資料を見ていました。中でも記念館の施設内に移築された野口英世の生家には、「志を得ざれば、再びこの地を踏まず」

という野口博士本人が柱に刻み込んだ文字も残っており、生徒たちは本物だけが持つ迫力を感じているようでした。

初日の最後にして最大のイベントは磐梯山周辺に点在している珍しい「五色沼」

の散策でしたが、散策のためにバスを降りた瞬間に雨が降り始め、残念ながら雨の中でのハイキングとなってしまいました。しかし、「五色」の多様な色彩を見せる沼は、悪天候にもかかわらず神秘的な姿を見せてくれました。生徒たちの感想文を読んでいても、この「五色沼散策」がハイライトだったと書いてくれる生徒が数多くいました。

翌日は心配された天気もなんとか曇り空で持ちこたえてくれており、自然体験コースも全て実施することができました。リバートレッキング班は冷たい水温に縮み上がりながらも、ほとんどの生徒が高い岩の上から淵へのダイビングをしたり、滑り台のような急流を滑り降りたりと渓谷の自然を満喫したようです。釣り班も、延べ竿に浮きと針をつけただけのような簡単な仕掛けでしたが、驚くほど簡単に小さな魚が次から次へと釣れて、生徒たちは歓声を上げていました。しかし、釣りの経験などほとんどない生徒が多く、餌のミミズは触れないし、魚がかかれば自分で外せないし、挙げ句の果てには桟橋から湖にボチャンしてしまう生徒も出る始末でインストラクターの方も引率教員の私も右に左に大忙しでした。自然観察班では「ガサガサ」と呼ばれる手法で岸際の茂みを網でガサガサ揺すり、その中に隠れていた小動物を捕まえて観察していました。獲物の中には15センチを超えるような外来生物の「ウチダザリガニ」も獲れたそうです。磐梯山登山班も最も天候が心配された班でしたが、早めに切り上げてくる程度でしっかり登山の醍醐味を味わうことができました。カヌー班も一部沈没する艇も出たようですが、美しい湖面をカナディアンカヌーで滑るように進む楽しい経験ができました。

工芸体験コースも「赤べこ」「絵ろうそく」「慶山焼」「和菓子」などそれぞれの作品を集中して作り、新しい趣味に目覚めたような生徒も多くいたそうです。「歴史散策」コースも白虎隊の自決で有名な飯盛山や鶴ヶ城などを訪れ、明治維新の礎となった会津藩の悲劇についての思いをより深くしたようでした。

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 最終日となる三日目には、二日間お世話になった裏磐梯の「檜原湖畔ホテル」を後にし、蔵とラーメンの町として知られる喜多方市へ向かいました。人口52000人に対し、120軒のラーメン店が軒を連ねる喜多方市は言わずと知れた「ラーメンの都」です。生徒たちはまず「蔵の里」という昔ながらの農家や土蔵作りの建物が移築された施設で喜多方の伝統的なたたずまいを感じた後、各グループごとに事前の調査で決めたお目当てのラーメン店を探して町中に旅立っていきました。中には2時間足らずの時間に3杯のラーメンを食べたという強者もいるほど、自然教室最後の日程を余すところなく楽しんでいたようです。