平成23年度創立記念式典
本日、9月7日は佼成学園の創立記念日です。
本校に隣接する普門館にて「平成23年度創立記念式典」が執り行われました。
司会は男女両校の生徒会長が務めました。
式典では献花の後、庭野日敬学園創立者の映像が流されました。 庭野日敬学園創立者は、幼少の頃より父の言葉と母の姿に強く影響を受け、小学校の校長先生の教えを忠実に実践。東京に出てからは病院や図書館の建設に尽力し、昭和29年に学校法人佼成学園設立の認可を得ました。
ローマ教皇との対面や国連でのスピーチ、世界宗教者平和会議の創設、テンプルトン賞受賞など、その偉大な足跡があわせて紹介されました。
次に佼成学園庭野日鑛学園長から諭告がありました。 学園長「江戸時代の『寺子屋』は日本の教育の原点でありますが、読み・書き・そろばんを教えるこの教育体制により、当時の日本の識字率は世界で最も高いと言われています。必要最低限の教養ではありますが、いずれ社会に出てゆくために必要となる幼少年時代の教育を非常に大切にとらえていた証です。」と、教育の重要性を示唆しました。
また、「みなさんに、木村和夫さんの『習慣』という詩を紹介します。
毎日毎日が習慣づくり
勉強をサボるという習慣 勉強を真剣にやるという習慣
本を読まないという習慣 本を読むという習慣
字を乱雑に書くという習慣 字を丁寧に書くという習慣
(中略)
どんな習慣を自分のものにしていくか?
何気ない一回一回のこと
何気ない一日一日の積み重ね
その中にこそ
あなたがいるのです
みなさんは、現在、大事な成長過程の中にいるのです。しっかりとした習慣を築いてください。」と続けました。
最後に、東日本大震災について触れ、「日本の言葉に『七転び八起き』があります。日本の歴史をひも解くと、私たちは多くの災害に遭遇し、幾度となく乗り越え、立ち直ってきたことがわかります。これからもこの姿勢を身につけてゆくことが大切です。」と締めくくりました。 休憩を挟んだ後の記念講演では、特定非営利法人ジェン(JEN)の事務局長を務める木山啓子様に「誰かのためなら人はがんばれる」と題した講演をいただきました。講演に先立ち、先の東日本大震災で被災された方々へ哀悼の意を表して、黙祷を捧げました。
ジェンは世界の各地で支援活動を展開する団体です。アフガニスタンの道路建設、ハイチでの井戸掘りなど、その土地のニーズを見極めた支援をしています。
特に、生活必需品を作る支援活動をとおして、現地の人々の心のケアを行っています。パキスタンでの大地震のあと、「ココナツ・ロープの作成」や「漁網作り」を支援したそうです。その漁網でとった最初のロブスターを自分たちではなく、ジェンにプレゼントしてくれたそうです。つまり、彼ら自身も「誰かのためにがんばる」ことが心のケアになっているというのです。
「『誰かのためにがんばるんだ』という気持ちで行動すると元気が出るのです。」
後半は、東日本大震災当日、現地で被災されたジェンの石巻スタッフ杉浦様が登壇し、対話形式で当日の惨状とその後のボランティア活動について話をしてくださいました。
今も現地で支援活動を展開する杉浦様は、「人と人、心と心のつながりを築くため、被災地にコミュニティーを形成し、ひとりでも多くの被災者を救ってゆきたい」と述べました。
また、「ここにいるみなさんが支援をしたいと思うなら、どのようなことができるのか実際に目で見て感じてほしい。そしてそれを人に伝えてほしい。」 そして、「今ある現状を決して当たり前のことと思わないでほしい」と続けました。
被災者であり、支援活動を続ける杉浦様の言葉には、心に響く重みがありました。